Carbon Neutrality カーボンニュートラル

省エネおよび二酸化炭素の排出量削減の取組

当社は「2050年度までに温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1+2)をゼロにする」ことを目指し、今後進展が期待される省エネ・CO2削減技術や普及・拡大が見込まれる再生可能エネルギーを積極的に採用して脱化石燃料化を図ります。

2023年度からは、Scope1+2だけでなくScope3についても目標を設定し、SBTイニチアチブによる認定を取得しました※1。
Scope1+2の目標達成に向けては、引き続き、再生可能エネルギー由来電力などの非化石エネルギーの導入を進めるとともに、CO2削減の費用対効果(円/t-CO2)や投資回収期間などを考慮の上、照明のLED化やエネルギー効率のより良い設備の導入など省エネ・CO2削減に資する設備投資を計画的に進めていきます。現在、大分工場、鈴鹿工場および東京本社で再生可能エネルギー由来電力を購入しています。一方、Scope3についてはサプライヤーとの協働を通じて目標達成を目指し、積極的にコミュニケーションを進めています。

また、当社は、日本政府のカーボンニュートラル宣言をはじめとする温暖化防止政策に沿って事業活動を推進するとともに、「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」、「地球温暖化対策の推進に関する法律」および「気候変動適応法」などの関連法令を遵守しています。またこれらの法令に基づき、エネルギー使用量などに関する行政への定期報告を適切に実施しています。さらに、役員・従業員の意識啓発を進めるとともに、一人ひとりが高い意識をもって、空調温度管理の徹底、衣服調整による空調使用の低減、エコドライブなどの省エネ行動に継続して取り組んでいます。

GHG排出量(Scope1+2;エネルギー起源)の推移

当社のGHG排出量(Scope1+2)は順調に減少し続けており、2025年度は40,235t-CO2(Scope1:17,173t-CO2、Scope2:23,062t-CO2)でした。

2020年度基準GHG排出量削減目標(連結)の推移
2020年度基準GHG排出量削減目標(連結)の推移

算定基準の詳細は「ESGデータ一覧」をご覧ください。

再生可能エネルギーの使用比率

2025年度は総エネルギー使用量の16%を再生可能エネルギーが占めました。また、2024年度より中長期目標に設定した「使用電気全体に占める非化石電気の比率を50%以上にする」に対して47%となり、順調に導入しています。今後も計画的に再生可能エネルギーの導入を進め、導入比率を高めていきます。

再生可能エネルギーの使用比率
再生可能エネルギーの使用比率(2025年度)

算定基準の詳細は「ESGデータ一覧」をご覧ください。

太陽光発電システム

当社は、総合研究所と大阪研究所に太陽光発電システムを導入しており、両研究所における2025年度の発電量は119MWhとなりました。

太陽光発電量は研究所内のモニターに随時表示し、従業員の環境意識向上に役立てています。

総合研究所の研究棟屋上に設置中の太陽光発電システム

総合研究所の研究棟屋上に設置中の太陽光発電システム

太陽光発電量を研究所内のモニターに随時案内

太陽光発電量を研究所内のモニターに随時案内

非化石証書

当社事業所内に設置しているダイドードリンコ株式会社の自動販売機の稼働に要する電力消費に対して、ダイドードリンコ株式会社から当社に提供される非化石証書※2(2025年度実績22MWh)を活用しています。今後も、このようなビジネスパートナーとの協働の機会を大切にしていきます。

サプライチェーン排出量の把握

当社は、サプライチェーン全体でのGHG排出量の把握に努めています。現状は二次データによる算定が中心ですが、主要なサプライヤーにGHG排出量の開示を要請するなど、Scope3カテゴリ1排出量の一次データ化※3に向けた取組を継続しています。
また、「ビジネスパートナーのためのサステナブル行動指針」を制定し、ビジネスパートナーに対するサステナビリティ評価を実施しています。環境面では、GHG排出削減に関する自主的な目標の設定に努め、削減施策を進めることをビジネスパートナーに求めています。

ビジネスパートナーに対するサステナビリティ評価については「ビジネスパートナーとともに」および「コミュニケーションの推進」をご覧ください。

  • ※3一次データ化:環境省DBの排出原単位などの原単位データベースを用いずに、取引先などから直接入手したデータを用いて排出量算定を行うこと。

Scope別GHG排出量

  
Scope 内容 2023年度
排出量
(t-CO2)
2024年度
排出量
(t-CO2)
2025年度
排出量
(t-CO2)
対象
Scope1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセスの排出) 27,093 23,10117,173 連結
Scope2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 26,827 23,157 23,062
Scope3 Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出) 355,702 268,297 320,176 下表に記載

カテゴリ別GHG排出量(Scope3)

カテゴリ 2023年度
排出量
(t-CO2)
2024年度
排出量
(t-CO2)
2025年度
排出量
(t-CO2)
算定方法・
排出原単位など
対象
1 購入した製品・サービス 305,002 229,764 286,078 製品の原材料および包装材料、仕入商品の購入金額や製造委託費用に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
2 資本財 18,623 14,740 13,007 固定資産の取得金額に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 連結
3 Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 15,017 12,613 11,125 購入した電気・蒸気については環境省DBを、購入した燃料については、LCI-DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
4 輸送、配送(上流) 820 780 606 輸送:輸送シナリオのトンキロに環境省DB、LCI-DBの排出原単位を乗じて算出
倉庫:外部委託先より当社委託分に係るCO2排出量(一次データ)を入手
当社単体の国内輸送
5 事業から出る廃棄物 4,563 900 1,072 廃棄物の種類別・処理方法別の排出量に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体の工場・研究所・物流センター
6 出張 3,375 1,722 1,816 出張交通費支給額に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
7 雇用者の通勤 690 682 583 交通手段別の通勤交通費支給額に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
8 リース資産(上流) 非該当 非該当 非該当 ー ー
9 輸送、配送(下流) 3,672 3,158 2,642 主要な医薬品卸の売上高あたりのCO2排出量(推定値)に当社製品の医薬品卸における売上高を乗じて算出 当社単体
10 販売した製品の加工 非該当 非該当 非該当 ー ー
11 販売した製品の使用 3,554 3,426 2,617 販売した医薬品のMDI(定量噴霧式吸入器)に充填されているHFC量にGWPを乗じて算出 当社単体
12 販売した製品の廃棄 250 300 324 容器包装リサイクル法における材料別の容器包装重量に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
13 リース資産(下流) 136 212 306 賃貸している保有資産(建物)のエネルギー使用量から「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」に基づく各種係数を使用して算出 当社単体
14 フランチャイズ 非該当 非該当 非該当 ー ー
15 投資 非該当 非該当 非該当 ー ー

環境省DB(2023年度排出量にVer.3.4適用、2024年度排出量にVer.3.5適用、2025年度排出量にVer.3.6適用):環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」
LCI-DB:LCIデータベースIDEAv2(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)

  • (注) カテゴリ9(輸送、配送(下流))について、医薬品卸の2025年度CO2排出量が公開されていないため、2025年度CO2排出量の算定では2024年度の医薬品卸CO2排出量を使用しています。医薬品卸の売上高および当社製品の医薬品卸における売上高は2025年度売上高を使用しています。

SBT(Science-Based Targets)

当社のSBTは以下の通りです。

  • 2030年度までにGHG排出量(Scope1+2、連結)を、2020年度比で42%削減する(1.5℃水準)
  • 2030年度までにGHG排出量(Scope3; 購入した製品・サービスに基づく排出量、連結)を、2020年度比で25%削減する(Well below 2℃水準)

Scope1+2目標については、当社グループにおける事業再編(物流業務の外部委託、再生・細胞医薬事業の再編、アジア事業の株式譲渡等)に伴い、2025年度以降、一部事業がGHG排出量の算定バウンダリから除外されることとなりました。組織バウンダリ変更による影響が基準年(2020年度)排出量の5%を超えることから、SBTi基準に準拠し基準年排出量の再算定を実施しました。
再算定後の基準年排出量は66,960t-CO2(従来比7.7%減、Scope1:25,105t-CO2、Scope2:41,855t-CO2)となり、2025年度実績は基準年と比較して41.7%削減(39,057t-CO2;基準年と同一バウンダリに調整した排出量)となりました。
Scope3目標については、販売製品構成の変化により、2025年度は802,946t-CO2となり、後述する再算定後の基準年排出量と比較して18%増加しました。基準年排出量は、海外子会社における二次データの精度が向上したことを踏まえ見直しを行いました。加えて、Scope1+2と同様に、事業再編に伴う組織バウンダリの変更を考慮して再算定を実施した結果、再算定後の基準年排出量は679,171t-CO2(従来比12.1%減)となっています。
今後は、GHG排出量の削減に向けて積極的にサプライヤーとの協働に取り組み、より実態の排出量に近い一次データ化を推進していきます。

パートナーシップ活動

日本製薬団体連合会への参画

当社は日本製薬団体連合会(日薬連)の加盟団体である日本製薬工業協会(製薬協)の会員として、日薬連の活動に参画しています。日薬連は日本経済団体連合会(経団連)の会員であり、経団連は日本政府の「2050年カーボンニュートラル宣言」を支持し、その実現に向けて政府とともに取り組む決意を表明して、「カーボンニュートラル行動計画」を策定しました。この行動計画に基づき、日薬連は医薬品業界のカーボンニュートラル行動計画の長期ビジョンを「2050年CO2排出量ネットゼロ」とし、フェーズⅡ目標「CO2排出量を2030年度に2013年度比で、46%削減(研究所・工場・オフィス・営業車両)」を策定して、CO2排出量の削減を推進しています。当社もこの行動計画に参画し、行動計画の進捗に向けて積極的に取り組んでいます。

また、日薬連は日本政府の方針に基づき、GHGであるフロン類の排出抑制にも取り組んでおり、専門部会として「フロン検討部会」を設置しています。本部会は、数値目標を含む自主行動計画を策定して、定量噴霧エアゾール剤に用いる代替フロン(HFC)の排出抑制に向けて活動するとともに、経済産業省の産業構造審議会への定期報告等を行い、政策実行を支援しています。当社はHFC-134aを噴霧剤として用いる吸入ステロイド喘息治療剤「キュバール®」を輸入および販売しているため、本部会に参画し、代替フロンの削減に取り組むとともに規制当局との連携を図っています。

気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)への参加

気候変動イニシアティブ(JCI)は、日本において気候変動対策に積極的に取り組む企業や自治体、NGOなどが情報発信や意見交換を強化して脱炭素社会の実現を目指すネットワークです。当社は、JCIの"脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する"との宣言に賛同し、2018年11月から参加しています。JCIはメッセージの公表と政府への書簡送付によって気候変動対策の強化等を求めており、当社はJCIへの参加以降、7件のメッセージに賛同しています。

【直近3年間の賛同実績】

  • 2023年4月12日発出:再生可能エネルギーとカーボンプライシングで二つの危機を打開する※4
  • 2023年12月5日発出:カーボンプライシング提言※5
  • 2024年7月8日発出:1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本政府に求める※6
  • 2025年11月7日発出:気候変動アクション日本サミット2025宣言「脱炭素社会への移行をリードする ― 私たちは、決して止まらない ―」※7