Training and Development of Employees 従業員の育成
人材育成方針
住友ファーマは、社員および役員の行動の指針である「行動宣言」の第4項において、「自らの能力を高め、協働します」を掲げています。
また、個人の成長と事業の成長は車の両輪であるという考え方のもと、「サステナビリティ経営」における主役を一人ひとりの社員と位置付けています。 経営戦略と連動した人材戦略のもと、社員一人ひとりの力を最大限に引き出し、個人の成長を通じて事業の持続的な成長につなげ、社会に対して継続的に価値を提供することを目指しています。
当社は人材を価値創造のドライバーと捉え、その起点となる人材のあるべき姿として「住友ファーマが求める人材像」を定義するとともに人材育成と組織文化の醸成を一体的に推進することで価値創造を持続的に支える人材基盤の強化を図っています。
住友ファーマが求める人材像
研究開発型ファーマとして持続的に価値を創出していくためには、一人ひとりが当事者として主体的に考え、行動し、成果を生み出すことが不可欠です。このため当社では、従来の「変化への対応」や「挑戦」といった枠組みにとどまらず、価値創造サイクルを力強く回す行動様式へと発想を転換し、「求める人材像」を再定義しました。
当社が求めるのは、「期待を超える」「枠を超える」「自分を超える」人材です。
一人ひとりがこの「超える」行動を実践することで、個人の成長と組織の進化を同時に実現しながら、持続的な価値の創造を目指しています。

社員の能力を十分に発揮できる環境づくり
当社は、社員一人ひとりが主体性と創造性を最大限に発揮できる環境を重視しています。
安全かつ働きやすい環境の提供に加え、社員が自らの成長に向けて主体的に行動する風土の醸成を進めています。特に、上司と部下の1on1をはじめとした継続的な対話やフィードバックを通じて、期中から役割の遂行と価値創造に向けた取組の認識を共有し、社員が個人の成長と成果創出の両立を図れるよう、その力を発揮できる環境を整えています。
こうした人材マネジメントにより、個人の潜在能力を引き出すとともに、組織全体の学習力と実行力の向上を図っています。 また、自己申告制度や社内公募による異動の仕組みを通じて、社員一人ひとりのキャリア志向や意欲を踏まえた配置・育成を行い、主体的な成長と多様な挑戦の機会を創出しています。
人材育成体系
当社では、若手社員の基礎力強化から経営人材の育成までを一貫して支える人材育成体系を構築しています。 本体系は、大きく以下の3つの柱で構成されています。
1.階層別・昇格者研修
部門長・マネージャーから一般社員まで、各階層に求められる役割・能力に応じた研修を体系的に実施しています。役割認識の明確化とマネジメント力・専門性の強化を通じ、組織全体の実行力向上を図ります。
2.選抜型研修(テーマ別育成)
将来の経営を担う人材や中核人材を対象に、選抜型の高度研修を実施しています。 リーダー人材育成(エグゼクティブフォーラム)、デジタル人材育成(DX研修)、グローバル人材育成(海外赴任・語学力強化等)など、重要テーマに基づき重点的に育成しています。
3.全社員向け育成(自律的成長支援)
キャリア開発支援や自己研鑽支援、e-learning、フィードバック研修などを通じ、全社員が主体的に成長できる環境を整備しています。
選抜型研修の実施
当社は、未来のリーダーおよび経営人材の育成を目的として、2016年7月に選抜型教育研修プログラム「SMP Academy」を設立し、累計644名を育成してきました。この取組を基盤としつつ、急速に変化する経営環境に対応し、業務上の課題やリスクを的確にとらえ、迅速かつ質の高い意思決定を担う人材の育成を加速するため、2025年度からは研修体系を刷新し、新たに「エグゼクティブフォーラム」を設立しました。
本プログラムはベーシックおよびアドバンスの2階層で構成され、年間で40名の幹部候補・リーダー候補人材の選抜・育成を行います。経営視点での意思決定力や戦略的思考力に加え、組織を牽引するリーダーシップと実行力の向上を図っています。今後も、当社グループ全体の人材ポートフォリオを踏まえながら、次世代の幹部候補・リーダー候補を計画的に育成し、持続的な価値創造を支える人材基盤の強化に取り組んでいきます。
グローバル人材の育成
当社では、英語力強化に加え海外子会社や海外アカデミア・研究機関に人材を派遣するなど、グローバルな事業環境の中で価値創造を担うグローバル人材の育成に取り組んでいます。
また、海外子会社スミトモファーマ・アメリカ社と連携した手挙げ制のメンター制度(SMPA Mentor Program)を通じて、英語での対話・指導・学習に挑戦できる機会も提供しています。社員同士の継続的な対話により、キャリア形成や業務遂行力の向上、ならびにグローバルコミュニケーション力の強化を図っています。 加えて、全社員の英語力の底上げを目的として、TOEIC受験機会を年3回提供しています。今後は、グローバルに活躍できる人材のプールを一層拡充するため、エグゼクティブフォーラムとの連携や各種英語力強化プログラムのブラッシュアップ、新規施策の検討・実施を進めていきます。
「新たな価値創造」と「オペレーション改革」をDXで実践する人材育成
2021年8月からデータサイエンティスト※1を100人育成することを目標として、DX研修をスタートしました。全社員向け、管理職向けのe-learningをはじめ、さらにハイレベルなデータサイエンスの実践知識習得を目指すコースを設定し、2024年度までにシチズン・データサイエンティスト※2100人の育成を達成したことに加え、新たなDX人材像シチズン・デベロッパー※3を設定し、2027年度までに150名を育成します。さらに、これからの業務変革において不可欠な要素であるAIにも焦点をあて、日常業務の中で自然にAIを活用できる人材の育成にも取り組んでいます。
各種のデータ、デジタル技術、そしてAIを積極的に活用し、さまざまな課題を解決できるデジタル人材の育成を進め、「データ駆動型の製薬企業への転換」と「新たな価値創造とオペレーション改革」を目指しています。
- ※1一般社団法人データサイエンティスト協会「スキルチェックリスト ver3.01」を基準とする。
- ※2データ利活用による価値創出の起点となる人材
- ※3職場での業務効率化を自律推進できる人材
タレントマネジメントによる戦略的人員配置と人材育成の推進
人材データベースの一元化により、社内の人材配置やスキルの状況をすぐに把握することが可能であり、その人材情報を人事異動等に活用することで、スピーディかつ正確な適所適材の実現につながっており、透明性の高い人材管理を実現しています。引き続き、人材マネジメントのさらなる強化を図るべく、人材情報の可視化・分析を推進していきます。これにより、社員一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮できる環境を整え、社員と組織双方の成長を実現し、ビジネスの成果の最大化につなげていきます。
研究プロジェクト制導入による人材育成
当社は、革新的新薬の創出を加速するために研究プロジェクト制を導入しています。これは研究テーマを発案した熱意ある研究者を研究プロジェクトリーダーとして任命し、研究プロジェクトリーダーがチームメンバーとともに研究の前期から後期まで一貫して研究プロジェクトを中心的に推進するというものです。研究プロジェクトリーダーには年齢や経験を問わず、予算執行や人事評価の権限を与え、裁量権を持って研究プロジェクトをマネジメントすることで成果創出、人材育成につなげています。
これまでに研究プロジェクト制のもとで創出された11剤の臨床移行を達成し、現在も15件以上の研究プロジェクトが進行中です。本制度開始以来、46人の研究プロジェクトリーダーを輩出しています。
住友ファーマのMR育成
当社のMR(医薬情報担当者)教育は、自律・自立を促すとともに、「OJT」による現場教育を基本とし、「医療従事者の課題解決に寄与することができるMR」の育成を目指しています。当社では、入社3年目までのMRを若手育成MRと位置づけ、「ベーシック研修」と題した研修プログラムを取り入れています。現場の年次の近い社員が新人MRの学びをサポートするFL(フレッシャーズリーダー)制度や、近隣オフィスの先輩社員と師弟関係を結び、担当先同行を通じて実践的に学ぶDEGEICO制度があります。MRの活動において必要な意識・知識・スキルをさまざまな角度から修得していきます。
また、すべてのMRを対象とした継続研修では、医療現場のニーズに応えるべく、日々の最新医学情報の取得に加え、各種媒体を用いた自己学習ツールなど、充実した研修体系を構築し、医療に貢献するプロフェッショナルMRの育成を進めています。