印刷(PDF/186KB)はこちらから 2026年02月26日 研究開発

住友ファーマ創出の新規TLR7ワクチンアジュバント(DSP-0546)を用いた新規ユニバーサルインフルエンザワクチン候補製剤の欧州フェーズ1試験中間解析結果(交差反応性)について

住友ファーマ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:木村 徹、以下「住友ファーマ」)および国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府茨木市、理事長:中村 祐輔、以下「NIBN」)の難病・免疫ゲノム研究センター 山本拓也センター長、同センター内プレシジョン免疫プロジェクト 西山紋惠プロジェクト研究員らは、住友ファーマ創出の新規TLR7ワクチンアジュバント(DSP-0546)を用い、幅広いインフルエンザウイルスに対する予防効果を持つ「ユニバーサルインフルエンザワクチン」の開発に取り組んでいます。2024年5月14日に開始をお知らせした住友ファーマによるユニバーサルインフルエンザワクチン候補製剤「fH1/DSP-0546LP」(以下「本剤」)の欧州フェーズ1試験(以下「本試験」)につきまして、中間解析を実施しましたので、主要評価項目(本剤の安全性、忍容性および免疫原性)に続き、探索的評価指標である交差反応性に関する結果をお知らせします。

本試験は、18歳から40歳の健康成人144例を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験で、本剤(fH1(2μg、8μg)/DSP-0546LP(2.5μg、5μg、10μg))、アジュバント非添加抗原製剤(fH1(2μg、8μg))、アジュバント単剤(DSP-0546LP(2.5μg、5μg、10μg))またはプラセボを、3週間間隔(Day1、Day22)で2回筋肉内に投与しました。中間解析は、あらかじめ本試験の臨床試験実施計画書に規定された方法で、投与終了4週間後(Day50)までの事後観察結果として実施されました。

交差反応性は、様々なインフルエンザ亜型由来LAHに結合し、交差防御活性を示すLAH31モノクローナル抗体を標準物質として使用し、免疫学的測定法の一種であるELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)によって評価しました。本剤(fH1 8μg/DSP-0546LP 5μg)投与群ではDay50におけるインフルエンザウイルスH1及び高病原性鳥インフルエンザウイルスH5のLAHに結合した抗LAH抗体濃度はDay1と比べていずれも上昇し、それらの幾何平均値(95%信頼区間)は、それぞれ2,994.54ng/mL(2,077.84-4,315.67)及び2,657.93ng/mL(1,556.89-4,537.65)でした。したがって、本剤が毎年流行するインフルエンザウイルスであるH1N1亜型に対する抗LAH抗体のみならず、高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1亜型由来のLAHに対する結合性抗体も同様に誘導することを確認しました。

本試験は、投与1年後のフォローアップ観察まで継続し、探索的評価指標である抗体依存性細胞障害活性等につきましても評価中です。複数のインフルエンザウイルス亜型に対応し得るマルチサブタイプインフルエンザワクチンとしての早期実用化のために、引き続き研究開発を進めます。

※ 標準物質に関する参考文献:https://doi.org/10.1371/journal.ppat.1011554

(本剤の特徴について)

従来のインフルエンザワクチンは、ウイルスの抗原変異により効力を失うため、毎年流行株に合ったワクチン株の選定・製造・接種が必要であり、新型インフルエンザに迅速に対応することは困難です。
本剤は、種類の異なるインフルエンザウイルスへの幅広い防御効果が非臨床研究で確認されています。住友ファーマおよびNIBNは、共同研究の成果である本剤について、季節性インフルエンザウイルスだけではなく、パンデミックに発展する可能性のある新型インフルエンザウイルスにも効果を示す画期的な次世代ワクチンとしての実用化を目指しています。

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